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杉本 俊一*; 清水 雄一; 鈴木 伸武
Chem. Express, 8(7), p.451 - 454, 1993/00
炭酸ガスにメタンの存在下でArFレーザー光(193nm,260mJ/pulse,50Hz)を照射すると、主生成物として一酸化炭素が、微量生成物としてエタン、プロパンおよびブタンが生成し、炭酸ガスの還元が著しく促進されることを見出した。一酸化炭素の生成量はメタン濃度の増加と共に急激に増加し、メタン濃度がおよそ15mol%で最大になった。この時の量子収率は0.25であり、炭酸ガスのみの照射のときの約6倍であった。一方、エタンの生成量はメタン濃度がおよそ50mol%で最大になった。さらに、メタン濃度がおよそ35mol%以上で、プロパンおよびブタンが生成した。炭酸ガスのArFレーザー光分解によって一酸化炭素と共に生成するO原子がメタンによって効率よく捕獲されるために、レーザー光照射による炭酸ガスの還元反応が有効に進行すると結論した。
杉本 俊一*; 清水 雄一; 鈴木 伸武
Chem. Express, 8(9), p.789 - 792, 1993/00
一酸化炭素とメタンの混合気体にArFレーザー光(193nm,270mJ/パルス,50Hz)を室温で照射すると、主生成物としてエタンが、副生成物としてプロパン、エチレンおよび含酸素化合物であるアセトアルデヒドが生成することを見出した。これらの生成量はいずれもメタンの含量の増加と共に増加し、メタンの含量がおよそ73mol%で最大になった。この時の量子収率はそれぞれエタン:0.26,プロパン:0.02,エチレン:0.01およびアセトアルデヒド:0.04であった。これらの生成機構について考察した。その結果、一酸化炭素とメタンとの反応によって生成するアセトアルデヒドはArFレーザー光の照射下で分解されることを明らかにした。
清水 雄一; 杉本 俊一*; 西井 正信; 鈴木 伸武
Chem. Express, 7(8), p.633 - 636, 1992/00
窒素飽和したマレイン酸水溶液を過酸化水素存在下、室温でXeFレーザー光(351nm)照射すると、グリコール酸、酒石酸、リンゴ酸などのヒドロキシ酸が選択性良く直接合成できることを見出した。マレイン酸カルシウム水溶液を照射すると、酒石酸の生成量はマレイン酸の照射の時の3.8倍、リンゴ酸は2.5倍に著しく増大した。この時の選択性もそれぞれ4から14%および2から9%と著しく増加した。マレイン酸ニナトリウムについても同様な結果が得られた。このような増感効果はマレイン酸塩の金属イオン化系列とよく対応した。酒石酸およびリンゴ酸はマレイン酸の二重結合へのOHラジカルの付加によって生成し、一方グリコール酸はこれらの生成反応と競争的にOHラジカルの付加によって生成したヒドロキシ中間体の速い分解によって生成すると考えられる。この分解にはHのようなイオン種が深く関与していることが推察される。
清水 雄一; 河西 俊一; 杉本 俊一; 鈴木 伸武
Chem. Express, 6(8), p.567 - 570, 1991/00
窒素飽和したメタノール-エタノール混合溶液を過酸化水素の存在下でKrFレーザー光照射すると、1,2-プロパンジオールを主生成物とするエチレングリコール、2,3-ブタンジオールなどのジオールが直接、選択的に合成できることを見出した。ジオールの生成量は過酸化水素水の添加速度の増加と共に減少した。また、1,2-プロパンジオールの生成量はメタノール濃度が64mol%付近で最大になった。過酸化水素水の添加速度が3.6mlh、メタノール濃度が64mol%のときの1,2-プロパンジオール、エチレングリコール、2,3-ブタンジオールとアセトアルデヒド生成の量子収率はそれぞれ0.27,0.14,0.11および0.16であり、このときの選択率はそれぞれ35.1,19.3,13.8および22.7%であった。また、ジオールとアセトアルデヒドの生成の量子収率の合計はおよそ0.71であった。高密度に生成したOHラジカルを開始種とするプロパンジオールの生成機構を考察した。
工藤 博司; Wu, C. H.*
Chem. Express, 5(9), p.633 - 636, 1990/09
Knudsen-effusion質量分析法によるLiS(s,l)の蒸発挙動の観測において、平衡蒸気中に超リチウム化分子と考えられるLiSおよびLiS分子を見出した。平衡蒸気圧の温度依存性(第二法則処理)から、それぞれの分子の原子化エネルギーとして95022および1328325kJ/molを得た。また、リチウム原子1個を失うのに要するエネルギー(解離エネルギー)はそれぞれ18943および279205kJ/molであった。